【前半】
安全な食品とは大人50Bq/kg以下、子供10Bq/kg以下、ただし感受性の高い幼児(3〜5才)は5Bq/kg以下、特に感受性の高い時期の幼児(1〜2才)と乳児(0〜1才未満)は0Bq/kgである。根拠は後半で示す。なお、Bq/kgとは食品1kg当たりに含まれる放射性物質の量である。ここではBq/kgのことを短くベクレルで表す。簡単な覚え方を紹介する。子供の場合、安全な食品のベクレルは年齢と同じと覚えると分かりやすい。例えば10才なら10ベクレル以下、5才なら5ベクレル以下、乳幼児なら0ベクレルとなる。
これらと比べると政府の食品基準がいかに甘いかが分かる。特に乳児の食品基準はあまりにもひどい。子育て中のパパママは意識して輸入品を探し、赤ちゃんには放射能フリー(0Bq/kg)の粉ミルクや離乳食を与えよう。そして、やがて子供が大きくなって家族で食卓を囲んで食べるようになったら、一緒に食べる食品は子供に合わせて選ぶようにしよう。
今は流通が発達しているので普通のスーパーにも日本全国、世界各国の肉や野菜など並んでいる。被曝は総量なので多く食べる食品で放射能汚染の可能性の低いものを選ぶことを心がければ、こんなにも非人間的な政府のもとでも大切な子供たちの安全と健康を守ることは十分可能である。例えば食事の90%がほぼ放射能フリーならば、その他の食材や外食が100ベクレルでも平均は10ベクレルにしかならないので心配は大幅に減る。
なお、この計算には水と粉塵などによる内部被曝はまったく考慮してないので、汚染水や汚染粉塵には特に注意が必要である。
かつて誰の体にもなかった放射性セシウムが日本中の多くの人たちから検出されている。今までなかったことなのに、政府とそれをバックアップする学者たちは、なぜか心配ないと断言する。しかも被曝なんて何も気にしないでどんどん食べようというCMを国民の税金を使って流す。みんなが少し注意するだけでも被曝は減らすことができるのに、あえて国民を油断させて被曝を増やす。一方、放射能の拡散防止、食品の管理と測定など、やるべきことは怠り続ける。
しかも生まれたばかりの赤ちゃんをも被曝させる。政府は輸入品の中で放射能がない安全な粉ミルクを全国のパパママに勧めることもなく、生命を軽視してまで経済を優先して無垢な乳児にベクレルミルクを飲ませる。まるで乳児虐待だ。粉ミルクと離乳食は放射能なしが当然である。国産のミルクと離乳食でベクレルフリーができないなら、日本政府は粉ミルクと離乳食の国産を停止して、安全な粉ミルクと離乳食を全面輸入すべきである。
【後半】
安全な食品の数値について、以下に根拠を述べる。
政府厚労省は「子どもは食べる量が少ない。本来幼児は1686Bq/kgまで大丈夫だが大人の基準である554Bq/kgに合わせているので安心だ」(9/20週刊金曜日)としており、いまだにその考えを変えていない。
http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/?p=1118
このように良心の欠落した学者と政府は、子供は食べる量が少ないので基準以上に放射性物質を摂取しても安全だと言って国民をだまし、日本中に放射能汚染食物を撒いて家庭と給食で子供に食べさせ続けている。そしてもう8カ月も過ぎた。しかしこれはまったく間違っている。それどころか国民をたぶらかす悪質な嘘である。子供はそれほど小食ではないし大人より多く食べる時期さえある。(文末の基礎代謝量のカロリー表を参照)
子供は放射線の影響(感受性)が大人よりもはるかに大きい、さらに女児は男児より高い影響を受ける。しかも、子供はそれほど小食ではない。一番下に示した厚生労働省から引用した表を見てほしい。子供は育っていくので基礎代謝だけでも1〜2才で大人の5割、3〜5才で6割、6〜9才では7割程度もある。基礎代謝とは何もしなくても動かなくても必要なカロリーなので、実際の食事量は運動量に応じて増える。そのため活動的な子供は大人並みに食べる。そして成長期には大人と同じか、時には大人以上に食べる。
食物の暫定基準は500Bq/kgであり、大人は1食500g程度食べるので1食で最悪250Bqを摂取する。この食事を続けると体への影響は50で割って年5mSv被曝する。水の暫定基準は1リットル200Bqであり、一般に1日に約1.5リットル飲む。1食当たりにすると0.5リットルなので100Bqである。50で割って年2mSvとなる。すなわち政府の基準に従うなら合計7mSvも食事だけで内部被爆する。子供の場合の影響は約5倍であり、7mSvの5倍は35mSvになる。
法律で許されている原発由来による被曝は年1mSv以下である。これを外部被曝と内部被曝でそれぞれ半分とする。ここでは水からの摂取と肺に吸い込むことによる内部被曝は無視する。(汚染水と汚染粉塵に細心の注意を!)その場合に食事からは年0.5mSvであり50倍して1食25Bq以下となる。
大人の1食は約500gなので50Bq/kg以下のであることが必要である。子供は感受性が約5倍なので1食5Bq以下にする。そのためには大人の5割(1〜2才)なら20Bq/kg以下、6割(3〜5才)7割(6〜9才)を食べる時期は15Bq/kg以下、大人と同量の時期は10Bq/kg以下となるが、実際は若いほど感受性が高いことを考慮して子供は10Bq/kg以下にする。ただし感受性の高い幼児(3〜5才)は慎重のためさらに半分の5Bq/kg以下、特に感受性の高い時期の幼児(1〜2才)と乳児(0〜1才未満)は0Bq/kgにする。
基礎代謝量のカロリー表(基礎代謝:動かなくても必要なカロリー)
(実際の食事量は運動量に応じて増える)
年齢 男 女
1〜2 710 660
3〜5 890 850
6〜7 980 920
8〜9 1,120 1,040
10〜11 1,330 1,200
12〜14 1,490 1,360
15〜17 1,580 1,280
18〜29 1,510 1,120
30〜49 1,530 1,150
50〜69 1,400 1,110
70以上 1,280 1,010
単位 kcal
参考資料:日本人の食事摂取基準 表1 基礎代謝量(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4e.pdf
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ぜひ引き続き【食品基準の即時変更を求める】のブログもご覧ください。
2011年11月14日
子供に安全な食品とは
posted by 中山幹夫
| 食品の放射能汚染