2012年03月15日

汚染瓦礫と汚泥は集めて封じ込め

瓦礫拡散に反対し『みんなの力でがれき処理』に抗議する

現地処理で雇用も生まれるのに、広域処理と称して瓦礫輸送に無駄金を使い、受入れ自治体に助成金をばら撒く。汚染瓦礫さえも全国に拡散して焼却させ大気を汚す。その汚染焼却灰を撒いて大地も水も住環境も汚す。せっかく雨が集めてくれた地域の放射能も、せっかく体内から排出された放射能も、それらが下水を通して集まってできた汚染汚泥をまた農地や住環境に再びばら撒かせる。落ち葉、家庭ごみなどの焼却してできる汚染焼却灰もばら撒く。国は放射性物質リサイクルによる被曝推進で国民を繰り返し何度も被曝させる。

汚染していない瓦礫は全て現地処理することが最善の方法である。しかもできるだけ焼却ではなく埋立をした方が環境を汚さない。瓦礫を全国に輸送するのではなく、全国の汚染汚泥と焼却灰こそ輸送して人のいない場所に集めて保管することが国民の安全を守る。原因を作った原発の敷地内に施設を建設してそこに返すべきだ。そして、被災地の汚染した瓦礫は現地処理も広域処理もしないで、汚染汚泥などと同様に福島原発敷地内に返すことが日本の国土と空気と水を守り、食の安全を守る。農業・水産業・観光業などの産業と日本経済を守り、子供たちを守る。

1.政府は借金も健康被害も子供たちに押し付ける

1年も過ぎてなお瓦礫を全国焼却しないと復興できないとする政府。東北に処理施設を作る時間は十分あったのに政府はそれすら怠ってきた。全国にばら撒かれた放射性物質を保管するための長期保管施設を原発敷地内に建設することも怠り続け、政府は怠慢をごまかすために汚染汚泥と汚染灰を山に埋めさせ、海に捨てさせ、公園や宅地造成にまで使うように自治体に指示した。業界にも圧力をかけて肥料やセメントにまで使わせている。政府の悪策によって一番の健康被害を受けるのは子供たちだ。

政府は一貫して人為的な放射能拡散を続けている。それどころか政府は緊急事態で国民が苦しんでいる大変な時期に能天気に統一地方選を強行し、しかも党利党略でくだらない党首選まで実施して時間を無駄に費やした。自分たちの怠惰をさらに徹底してごまかすために、今度は広域処理と称して全国に瓦礫を運搬するために無駄な運搬費用を湯水のごとく使い、受入れ自治体に膨大な助成金をばら撒く。そして借金まみれの国家財政を無駄金でさらに悪化させる。その借金を返すのは結局は子供たちだ。

2.国家財税破綻と国土総汚染と国民総被曝の3大悪策

焼却より埋立の方が安全なのに汚染瓦礫を焼却する。放射能を閉じ込めることが国民の健康を守る唯一の方法なのに瓦礫と汚泥と灰を撒いて日本中を汚染する。特に人口密度の高い地域を狙って放射能を撒いて被曝被害を増やす。【人為的な放射能拡散】【高汚染地域の除染をやめて避難と移住】と、ここで述べている【瓦礫広域処理】で被災地を苦しめ国家財政を破綻させ日本中の国民を被曝させる。政府と自治体は運送業者と癒着があるのか。それとも瓦礫処理業者と癒着があるのか。日本中を汚染して経済と国民の健康を破壊したいのか。国民は放射能を封じ込めて子供たち守りたいと望んでいるのに、政府は放射能を拡散して子供の命を軽視する。日本の大人たちがしていることは、何の罪もない子供たちに国の借金と健康被害を押し付けることであり、人間としてもっとも最低の恥ずべき行為である。

3.瓦礫は現地処理、汚染瓦礫・汚泥・灰は集めて封じ込めが子供を守る

瓦礫を現地処理すれば無駄な輸送費用と受入れ自治体への助成金が抑えられ、現地に雇用が生まれる。汚染瓦礫があるなら福島原発敷地内に集めて閉じ込めることこそが日本を守る唯一の方法である。政府はこんなあたりまえの事さえしない。このままなら、やがて経済は破綻し、安全な自然も住環境も食もなくなる。その最大の被害者は子供たちである。

あれほどの大量の瓦礫の汚染が容易に測れるはずがない。だから汚染牛の時と同じように必ず汚染瓦礫が全国に拡散する。もし全国の国土と大気と水が汚染したら米国を含む諸外国の食品輸入停止地域も全国に拡大して日本の農産物の輸出はさらに激減する。やがて九州産さえも安心して子供に食べさせられなくなる。現政府の長期保管施設と現地処理施設の怠慢に断固抗議して建設を促し、瓦礫の全国ばら撒きと焼却を阻止し、被災地の汚染瓦礫と全国の自治体に溜まり続ける汚染汚泥と汚染灰を原発敷地内に輸送して保管させよう。

世界各国の輸入制限→【米国が日本の食品を輸入停止にする理由】

4.良識ある自治体のあるべき姿とは
子供たちを守るためには政府の悪策を阻止する必要がある。全国自治体も助成金に目がくらんで政府の奴隷になったりせずに堂々と受け入れ拒否を国に要請する勇気を持とうではないか。国がばら撒く助成金にしても元々は市民、県民、国民の税金である。愚かな政府の手下をやめて市民と県民の立場に立つべきである。そうでない自治体など、存在価値もない。

一方、徳島県は、瓦礫受け入れを押し進めよとの意見に対して、県の見解として「徳島県としては県民の安心・安全を何より重視」して瓦礫を「受け入れることは難しい」と回答した。これこそ良識ある自治体の姿である。全国の自治体は徳島に学ぼうではないか。

瓦礫と食品+徳島資料→【基準80倍の瓦礫と食品の安全基準】
 
各自治体の現状→がれき受け入れ自治体一覧&マップ

緊急全国署名
 バラまかないで!震災がれき
   燃やさないで!放射能ごみ
ご協力をお願いします
STOP!放射能ごみプロジェクトチーム 放射能ごみ
posted by 中山幹夫 | 人為的放射能拡散

2011年11月10日

福島県に首都移転

 積んでは鬼に崩され続ける賽の河原のような除染は国民の健康と生活を破壊し、国家財政を破綻させる。まさに国民不在の除染利権である。

 ここに福島復興への建設的な道として都市化と首都移転を提言する。

 ぜひ後で【高汚染地域の除染をやめて避難と移住】のブログも読んでください。1)はそのブログの【結論】部分の繰り返しです。

1)高汚染地域は、除染をしても全くの無駄であり、農民は生活も健康もぼろぼろになる。福島の高汚染地域の農家よ怒れ。放射線管理区域にはもう住めないし農業もできない。東電が汚してしまった故郷、どんなに悔しくても子供のために故郷を捨てよう。政府は土地を事故前の値段で買取り、安心して暮らせる新しい故郷に移住させる義務がある。

 高汚染地域除染は県民の健康と子供たちの健康を脅かし続け、いつまでも土地と農作物の汚染は解決しない。結局、除染などできないからだ。農民は農作物の汚染におびえながら、そして自分たち、子供たち、孫たちを被曝させながら家族の健康を犠牲にして農業をすることになる。そしてせっかく作った農作物も汚染が続き、農民は貧しくなる。日本の食の安全は失われ、子供の未来も日本の農業も破壊される。

 解決策は1つしかない。福島県民を救う道は除染を地域全体の線量が年5mSv未満の低汚染地域に除染を限定し、放射線管理区域に匹敵する5mSv以上の高汚染地域の除染をやめて、避難と移住を支援することだ。まず第一に、すぐに高汚染地域の子供たちを国の負担で避難させよう。その後に土地を国が買い取る。そして住民の非汚染地域への移住と農民の代替え地での農業を支援する。そうすれば県民の健康を守れる。安全な土地で家族と暮らし、汚染の心配におびえることなく安心して農業ができる。その費用は除染よりもはるかに安い。そして汚染されていない農作物は日本の食を守り、子供たちの未来と日本の農業を守る。

2)福島原発敷地内に放射性物質を閉じ込める巨大な長期保管施設を地下に建設する。さらに全体として年5mSv未満(0.5μSv/h未満相当)の地域に限定して除染を行いそこでの除染表土、さらに汚染瓦礫と日本全国の下水施設で集められた汚染汚泥などを格納して長期管理する。

3)買い取った汚染地域の除染はせずに、上から十分な厚さのアスファルトとコンクリートを敷き詰めて都市化する。そして国会と議員宿舎、各省庁、行機政関など東京にある国のすべての首都機能を福島に移転する。

4)東京の空いた土地はすべて売却し、汚染地域の買取費用と住民の移住費用、長期保管施設の建設費用と保管費用の清算に充当する。東京の土地は高額での売却が期待できる。清算後の不足額は東京電力に請求する。

5)危険かつ報われない除染をするよりも土の上をアスファルトやコンクリで固める方がはるかに安全である。しかもこの方法は処理すらできない膨大な汚染残土を生み出すこともない。アスファルトとコンクリートで塞いで都市化すれば放射線が遮蔽できて地表からの放射線も粉塵による内部被曝も大幅に減少する。国が避難支援を怠り、今現在でも多くの国民が住居していることを考えると、都市化した場所に首都を移転することは何の問題もない。これ以上福島県民を犠牲を強いないためにも、首都移転は日本国民の総意としての福島県民への償いでもあり、国としてのせめても誠意ではないのか。首都移転によって福島の産業構造は農村型から大都市型へと変貌し、多大な地域復興と雇用創出が実現する。

6)国民の健康被害を防ぎ、日本経済を立て直すためには、放射性物質を集めて濃縮し封じ込めて拡散を防ぐことしかない。汚染汚泥や汚染瓦礫を長期保管する施設が必要となる。福島原発敷地内の地下に最終処分場を建設し、これから何百年も安全に管理を続けることは国として当然の責務である。まさに、新首都福島の国会と省庁の近くに保管施設があればこそ、役人も政治家も責任ある管理を真剣にすることが期待できる。
posted by 中山幹夫 | 人為的放射能拡散

2011年10月27日

高汚染地域の除染をやめて避難と移住

 積んでは鬼に崩され続ける賽の河原のような除染は国民の健康と生活を破壊し、国家財政を破綻させる。まさに国民不在の除染利権である。

 高汚染地域での除染は正気の沙汰ではない。農業を続けさせる国も自治体も狂っているとしか言いようがない。除染を叫ぶ野田佳彦総理、佐藤雄平県知事、瀬戸孝則市長は自分の地位と金のために国民県民の命までも犠牲にしようとしている。途方もない無駄金で国家財政が破綻し、作業者と地域住民を内部被曝させ、それでも除染はできない。年5mSv以上の高汚染地域は除染は直ちにやめて避難と移住を推進するしかない。除染なら大金を使うのに避難と移住には支援しないのは、悪質な人権侵害行為だ。

【結論】
 高汚染地域は、除染をしても全くの無駄であり、農民は生活も健康もぼろぼろになる。福島の高汚染地域の農家よ怒れ。放射線管理区域にはもう住めないし農業もできない。東電が汚してしまった故郷、どんなに悔しくても子供のために故郷を捨てよう。政府は土地を事故前の値段で買取り、安心して暮らせる新しい故郷に移住させる義務がある。

 高汚染地域除染は県民の健康と子供たちの健康を脅かし続け、いつまでも土地と農作物の汚染は解決しない。結局、除染などできないからだ。農民は農作物の汚染におびえながら、そして自分たち、子供たち、孫たちを被曝させながら家族の健康を犠牲にして農業をすることになる。そしてせっかく作った農作物も汚染が続き、農民は貧しくなる。日本の食の安全は失われ、子供の未来も日本の農業も破壊される。

 解決策は1つしかない。福島県民を救う道は除染を地域全体の線量が年5mSv未満の低汚染地域に除染を限定し、放射線管理区域に匹敵する5mSv以上の高汚染地域の除染をやめて、避難と移住を支援することだ。まず第一に、すぐに高汚染地域の子供たちを国の負担で避難させよう。その後に土地を国が買い取る。そして住民の非汚染地域への移住と農民の代替え地での農業を支援する。そうすれば県民の健康を守れる。安全な土地で家族と暮らし、汚染の心配におびえることなく安心して農業ができる。その費用は除染よりもはるかに安い。そして汚染されていない農作物は日本の食を守り、子供たちの未来と日本の農業を守る。

【理由】
1)除染費用と期間
 地域全体が0.5μSv/h以上は年5.2ミリの放射線管理区域に匹敵する。あまりにも広大なので除染には想定できないほどの膨大な費用と期間がかかり、それでも除染できない可能性が高い。除染期間がセシウム137の半減期の30年さえも超えるなら何のための除染か分からない。

 飯舘村だけでも除染費用は現時点の見積りで総額3224億円。4人世帯あたりで2億円を除染費用に使う。除染を進めるとそれでも費用は足りず、結果的にどれだけ費用を使っても除染できない。参考資料→ 飯舘村除染計画書

 広大な田畑と森林もある福島県全体での高汚染地域の除染など狂気である。1000兆円使っても除染は不可能だ。しかも除染が続く何十年もの間、住民は外部被曝を浴び、さらに以下に示すような除染による内部被曝で健康被害がますます増える。まさに国民不在の除染利権でしかない。そして日本の国家財政は破綻する。

2)除染の危険性
 安易に除染すると吸い込んでしまう。肺に吸い込むのは食べるよりも遥かに危険である。危険なのは除染作業員だけはない。除染作業をすると近隣に放射性物質が飛びちる。除染作業が活発化すると地域住民や子供たちが大量の放射性物質を日常的に吸い込み重大な健康被害が起こる。
 
3)再汚染
 除染してその場所だけ線量が下がっても、雨や風で近隣からまた新しい放射性物質がやって来る。特に山や森林にある大量の放射性物質は除染の苦労を振り出しに戻す。高圧洗浄機を使っての除染は放射性物質を近隣に飛ばすだけで、隣の家が除染したらまた我が家が汚染される。除染した表土も運ぶ場所がない。別の場所に運べばそこが汚染される。海に捨てれば海が汚染される。

4)健康被害と経済被害
 地域全体の線量が高いなら除染を続けるよりも、まずは避難、そして移住しかない。長期間の除染の繰り返しの間に住民は健康被害を受け続ける。政府は安全と言うだけで住民を放置している。そのため福島県民は外部被爆におびえながら内部被爆の危険までおかして個別に除染を繰り返して居住することを強要されている。県民に除染へのはかない希望を持たせて、一方で移住の費用負担の援助をせずに、結果的に県民たちが除染を繰り返し続けながらそこに住むしかないように仕向けている国の政策は人道的な犯罪である。しかもせっかく育てた農作物も安くしか売れずに経済的な困窮は何十年も続く。なぜここまで福島が犠牲にならなければいけないのか。

5)除染利権
 いつまでも続く除染に群がる利権が生まれる。苦労が振り出しに戻るから除染ビジネスはいつまでも続けることができる。たとえ無駄であっても住民に希望さえ持たせ続けていれば、いくらでも儲けることができる格好の除染利権だ。「住民のために避難より除染」は大嘘である。本当の理由は避難は儲からないが除染は儲かるからだ。高汚染地域は除染できない。しかも除染で住民に重大な健康被害が起きる。和を大切にするやさしい心の日本人は、国と自治体にとって、従順な『和』と悪政に『やさしい』羊でしかない。高汚染地域の除染は結果的に健康被害と経済被害で被災者をさらに苦しめるだけである。除染作業者の被曝の危険性も計り知れない。

★福島の未来のために【福島県に首都移転】のブログも読んでください。
posted by 中山幹夫 | 人為的放射能拡散

2011年09月15日

人為的な放射能拡散

国の放射能拡散に加担する自治体と企業

 原発事故は福島原発の周辺に高濃度の放射性物質を降らせ、東東北と関東全域に大量の放射性物質をばら撒いた。今、多くの国民が日本の未来と子供たちの健康に不安を感じている。

 国民の健康を守り日本経済を立て直すためには、ばら撒かれた放射性物質を集めて濃縮し、封じ込めて拡散を防ぐことしかない。しかし現実は違っている。国と自治体は人為的に放射能に汚染された汚染瓦礫や汚染汚泥を全国で焼却して大気を汚し、山林に埋めて森を汚し、埋立をして海を汚し、肥料にして農地を汚し、宅地と公園とコンクリにして住環境を汚し、日本全国に汚染を広げている。

 多くの国民はこの事実さえも知らず、知っている人も反対をしない。戦時中と同じように、日本人は国からの指示に対して思考停止してしまうのだろうか。もしそうだとしても、今それを変えなければ私たちは大切な子供たちさえ守れない。


国は保管施設建設を怠り、自治体と企業に汚染を押し付けてばら撒かせる

 国がいつまでも放射性物質の長期保管施設建設の責務を怠り、遮蔽施設も仮処分場もすべてを各自治体に押し付けている。1kg当たり10万ベクレル超の汚染汚泥は遮蔽施設内で保管し、8千ベクレル超は処分場での仮置きとしていた。そして8千ベクレル以下なら、さまざまな方法で人為的に環境にばら撒くことを認めていた。しかしその8千ベクレルが10万ベクレルに変わるので、今後は汚染が10倍以上になる。

 自治体で置く場所が不足してきたことを表向きの理由にして、国は自治体のことを考慮しているふりをする。でも実際は国が保管施設の建設を怠っていることこそが本当の理由である。多くの自治体は地域住民を軽視して国の指導に従う。自治体は国の出先機関ではない。国の指示に従うだけの自治体など、存在意義もない。地方自治体の知事と市長は気づいてほしい。地域住民の生命と健康を犠牲にしてまで国に従わなければならないことなど、どこにもない。国が自治体に押し付けたからといって、自治体が放射性物質を拡散して住民に被害を押し付けるなどあってはならないことだ。


放射能汚染を人為的に拡散する国

 以下に示すように、国の各省庁が担当分野で人為的な放射能拡散に寄与している。環境省は環境を汚染し、農林水産省は農地と農作物を汚染し、国土交通省は住環境を汚染し、文部科学省は子供を被曝から守らない。世界中でこんな国が日本の他にあるだろうか。自然環境と国民の健康を犠牲にして、農業も漁業も観光産業も衰退させ、日本経済を潰す愚策である。

 国(環境省)は1kg当たり8千ベクレル以下を山林や海に埋立としていた。しかし8月末に埋立基準を10万ベクレルに大幅に引き上げる方針を決めた。自然豊かな山林と海に恵まれている日本なのに、これではますます日本中の海と山林の汚染は進み、海の幸と山を幸も汚して、食への不安はさらに高まるだろう。

 国(農林水産省)は汚染された地域の農地には1000ベクレル以下、全国の一般農地に200ベクレル以下の汚染汚泥は肥料として流通することを認めた。1000ベクレルの理由は汚染が高い地域の「放射性セシウム濃度を上昇させない」、200ベクレルの理由は「事故前の農地土壌の放射性セシウムの濃度範囲」としているが実際は事故前の日本のほとんどの農地は10ベクレル以下だ。しかも肥料業者がこの基準に違反しても自主管理で罰則なしだ。

 農水省 肥料に利用する汚染汚泥
http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/kome/k_hiryo/caesium/pdf/image.pdf

 汚染地域に高汚染肥料を使えば農地の汚染濃度はなかなか下がらなくなる。さらに200ベクレル汚染肥料は全国に流通する。10ベクレル以下の農地で半減期30年の放射性セシウム肥料を毎年使えば、安全な地域の農地は年々汚染濃度が高まる。しかも放射性セシウムだけで判断しているから、骨に蓄積し骨肉腫を起こすストロンチウムなどは未測定。他にどんな放射性物質が入っていても国は責任をとらない。

 国(国土交通省)は100ベクレル以下をセメント、宅地造成、公園で使うように指導している。子供たちが遊ぶ公園も、国民が生活を営む宅地を意図的に放射能汚染させるのだ。なぜ街を故意に汚すのか。放射性物質を埋めたセシウム公園で子供を遊ばせたいと思うだろうか。だれが放射性物質入りのセメントで作られたセシウムマンションに住みたいと思うのか。

 政府からセメント協会への要請文
http://www.jcassoc.or.jp/cement/4pdf/110728.pdf

 横浜市セシウム埋立
http://www.city.yokohama.lg.jp/kankyo/kisha/h23/images/110909-1.pdf

 国(文部科学省)は、せっかく除染した校庭の汚染表土さえも自治体まかせにしている。


汚れた大地をきれいにして汚染汚泥が生まれた

 汚染瓦礫、汚染汚泥、汚染焼却灰といった廃棄物の処分には全国の自治体が頭を悩ませている。汚染汚泥はたまる一方だ。そしてやがて、国に従順な自治体は住民を無視して、国に従って地元の汚染拡大に手を染める。

 国と自治体は何も分かっていない。彼らは何をおびえているのだ。愛する日本を守りたくないのか。汚染汚泥は『風の谷のナウシカ』での『腐海』なのだ。ナウシカなら「汚染汚泥は毒を出すけど実は人間が汚した世界をきれいにしている。汚染汚泥は大地の毒を取り込んでくれた」と言うだろう。

 原発が全国に放射性物質をばら撒いた。その放射能で汚された大地を雨水が洗い流してくれる。大地をきれいにして雨水、下水を通して処理場に集まったのが汚染汚泥だ。人が汚した大地をきれいにして汚染汚泥が生まれたのだ。人間たち、動物たち、すべての生き物が少しでも安全に暮らせるようにと、自然の力が除染してくれた。

 それなのに、国と、その国に従順なだけの自治体はせっかく集まった汚染物質を意図的に拡散する。焼却し、山林などに埋め、公園や宅地に使い、肥料にして農地に撒き、コンクリートにして街中に撒く。庭掃除で集めたゴミの処理に困って、ゴミをまた庭に撒くことは愚か者のやることだが、今の日本はそれと同じことをしている。しかも撒いている物はただのゴミではない。原発事故を1次災害とすると、今、起きていることは人為的かつ意図的に行われている2次災害である。


解決策は放射性物質の拡散防止と封じ込め

 解決策は放射性物質の拡散防止と封じ込めだけだ。汚染汚泥や汚染瓦礫をできるだけ放射性物質を濃縮して、安全な施設に長期保管する。その施設は国の責任で早急に準備する。それこそが、国民の健康被害を防ぎ、日本経済を立て直す道筋である。事故から6カ月も過ぎて放射性物質の長期保管施設の建設に未着手なのは明らかに国の怠慢だ。

 保管場所は例えば原発敷地内かもしれない。いずれにしても放射性物質を閉じ込める巨大な長期保管施設を地下などに建設し、これから何百年も国家の責任で安全に保管することが必要だ。それができるまでは自治体と企業は国の拡散に一切加担してはいけない。そして私たちは、自治体と企業が汚染を拡散することを許してはいけない。人為的に祖国を汚すという愚かな行為はもう終わりにしよう。


国の放射能拡散に自治体と企業は従うな

 国は自分の怠慢を棚に上げて、自治体と企業に不当な圧力をかけている。例えば国はセメント業界に汚染汚泥を安定的に受入れてセメント原料に利用することを要請した。セメント協会はそれを承諾した。

 セメント協会HPで『放射性物質が検出された下水汚泥のセメント原料の利用について皆様のご理解を』としている。何が『ご理解を』だ。企業が最も重視すべきは顧客であり、国ではない。セメント業界の顧客は建設業界と不動産業界であり、さらにその顧客である消費者だ。建設業界の新築マンションの売行きに大きな影響を与え、国民が居住空間で床、壁、天井から被ばくする大問題である。各業界は顧客重視を前面に、国の不当な圧力を断固拒否すべきだ。

 セメント協会 放射性物質のセメント利用
http://www.jcassoc.or.jp/cement/1jpn/110728.html

 自治体も同様である。国に自治体が従い、自治体に住民が従うだけでは、あまりにも時代遅れだ。そんなやり方ではこの国家的な危機を乗り越えることはできない。国は自治体の支配者ではない。県知事市長は県民市民の支配者ではない。県民市民のために県知事市長がいて、自治体のために国があるという当たり前のことが忘れられている。これからの時代は、国に従順なだけの自治体には住民を守れない。全国の自治体と企業がこのまま国からの上意下達で行動したら危機を乗り切るどころか、逆に深刻さを増してしまう。日本全国で本格化がすすむ放射能拡散は人災だ。

 暫定基準でも不安だが基準を超えても方法がある。基準は濃度だから、高濃度の汚染汚泥と汚染灰も他と混ぜて薄めれば利用できる。混ぜて薄めることで、もっとたくさん放射能物質を日本中にばら撒いている。これは基準の抜け道を使った悪行だ。

 放射能保管施設の建設を意図的に怠る国が、自分たちの責任を軽くみせるために、自治体と企業に「焼却しろ。地元に埋めろ。公園と宅地に撒け。肥料とコンクリに使え」ということをなかば強制的に要請する。だからといって国民を二の次にしてそれに従う企業と自治体の頭は空っぽだ。良心は傷まないのか。自治体と企業の顧客はいったい誰なのか考えればいい。分かったら自治体と企業は今すぐに国の要請を拒否しよう。

 国の顧客は自治体であり、そして国民である。自治体の顧客は地域住民である。そして企業の顧客も結局は国民である。地域住民の声、全国のパパママの切実な声で時代遅れの全国の自治体と、時代遅れの企業を目覚めさせよう。目覚めた自治体と企業は国を変える力になる。自治体と企業は、顧客の声に耳を傾けて、いっしょに子供たちを守ろう。自らの責務を果たさず放射能拡散という愚策を進める国に、今こそ全国の自治体と企業は反旗をひるがえす時だ。

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この記事は『原発と放射線 第3版』に掲載しました。ぜひ電子書籍もお読みください。無料です。
http://www.nakayama-lab.com/essay/atm.html
posted by 中山幹夫 | 人為的放射能拡散