2011年3月の原発事故で危機感を感じ、『原発と放射線』を4月19日に書き上げて中山研究室のサイトで公開しました。その後、同年6月に『原発利権としてのマスコミ』以降の章を、10月にAppendixを追記した。『原発と放射線』は2011年末までの8ヵ月間で16万アクセスを超え、その後も多くの人に読まれている電子書籍です。
2011年9月に開始したブログ『Approaches』は、食品基準、除染、瓦礫などの問題、「放射線特集の配布中止を要求します」やYahooニュースに掲載された「鉢呂発言でのマスコミ報道に抗議する」など、2013年5末までに通算21万を超えるアクセスがありました。
長い間ご愛読ありがとうございました。この記事をもちましてFC2ブログ『Approaches』の更新を終了します。しばらくしたらFC2のブログは閉鎖しますが、掲載の記事はさくらのサーバの同名のブログ『Approaches』に全て移転しましたので、今後も読むことができます。自分と家族を守るためにご一読ください。自分で判断するための一次情報も豊富です。
原発事故後に、中山研究室サイトと電子書籍、ブログ、ツイッターなどで、原発、被曝、除染、瓦礫、食品などの情報を発信してきましたが、事故から2年以上過ぎてもほとんど何も解決せず、事態は深刻さを増しています。当初の不安が次々と現実になりつつあり、日本の未来への不安が高まっています。しかし、原発事故で私が変わったように、少しづつ国民の意識が変わり続けています。全国のパパママは知識を身につけて子供を守り続けています。近い将来、必ず日本が変わる日が来ると信じています。
2013年05月29日
長い間ご愛読ありがとうございました(サーバ引越しのお知らせ)
posted by 中山幹夫
| 脱原発
2012年08月12日
原発ゼロ、2030年でなく今すぐ
エネルギー・環境に関する選択肢で下記内容のパブコメを送りました。
政府が示したのは2030年に原発0、15、20−25%のシナリオ。私は2030年でなく今すぐ原発ゼロと書きました。みんなの声で日本の未来を選びましょう。
関連サイト
パブコメで未来を変えよう(環境市民)
「エネルギー・環境に関する選択肢」(政府PDF)
「エネルギー・環境に関する選択肢」へのパブリックコメント(内閣府)
原発ゼロ、2030年でなく今すぐ
火力を停止し、恒久電源も防潮堤も免震棟もない大飯原発を再稼働した事で政府は国民を危険にさらしています。そして猛暑でも稼働中原発は東電0、全国2基だけです。その2基の大飯原発さえも、この夏、本当は関西電力は大飯原発なしでも電力は足りていました。原発0で日本経済は成り立ちます。資源は有限なので、これからはエネルギーを大量に消費する社会を目指すべきでなく、むしろ省エネと脱原発で先進国になる時です。
福島原発で国民が故郷を失い、膨大な国土が汚染された。電力のためにはあまりにも大きすぎる犠牲です。それでも学者も東電も政治家も誰も責任をとらない。怠惰な政府は電力会社の利益ばかりを優先し、日本の未来を担う子供たちを守ろうともしません。
政府は子供たちを安全な場所に移住させることも、避難を支援することもしません。原発事故で食品基準も乳児50ベクレルです。国内の食品も汚染され、今も多くの子供たちの体を蝕んでいます。原発を動かし続ければ、今後も大量の放射性廃棄物がたまり続けます。必ずいつかまた原発事故も起きます。もう二度と悲惨な事故を起こさないために、安全で安心な日本を目指すために、原発0%即時撤廃しかありません。
世界の国土の0.25%しかない日本には世界の火山の7%とマグニチュード6以上の地震20%が集中しています。そして活断層だらけ。しかし電力会社と歴代政府は絶対安全と言って、この地震大国日本に54基(世界の13%)もの原発を建設しました。今すぐ原発ゼロに舵を切らなければ日本の未来はありません。
政府が示したのは2030年に原発0、15、20−25%のシナリオ。私は2030年でなく今すぐ原発ゼロと書きました。みんなの声で日本の未来を選びましょう。
関連サイト
パブコメで未来を変えよう(環境市民)
「エネルギー・環境に関する選択肢」(政府PDF)
「エネルギー・環境に関する選択肢」へのパブリックコメント(内閣府)
原発ゼロ、2030年でなく今すぐ
火力を停止し、恒久電源も防潮堤も免震棟もない大飯原発を再稼働した事で政府は国民を危険にさらしています。そして猛暑でも稼働中原発は東電0、全国2基だけです。その2基の大飯原発さえも、この夏、本当は関西電力は大飯原発なしでも電力は足りていました。原発0で日本経済は成り立ちます。資源は有限なので、これからはエネルギーを大量に消費する社会を目指すべきでなく、むしろ省エネと脱原発で先進国になる時です。
福島原発で国民が故郷を失い、膨大な国土が汚染された。電力のためにはあまりにも大きすぎる犠牲です。それでも学者も東電も政治家も誰も責任をとらない。怠惰な政府は電力会社の利益ばかりを優先し、日本の未来を担う子供たちを守ろうともしません。
政府は子供たちを安全な場所に移住させることも、避難を支援することもしません。原発事故で食品基準も乳児50ベクレルです。国内の食品も汚染され、今も多くの子供たちの体を蝕んでいます。原発を動かし続ければ、今後も大量の放射性廃棄物がたまり続けます。必ずいつかまた原発事故も起きます。もう二度と悲惨な事故を起こさないために、安全で安心な日本を目指すために、原発0%即時撤廃しかありません。
世界の国土の0.25%しかない日本には世界の火山の7%とマグニチュード6以上の地震20%が集中しています。そして活断層だらけ。しかし電力会社と歴代政府は絶対安全と言って、この地震大国日本に54基(世界の13%)もの原発を建設しました。今すぐ原発ゼロに舵を切らなければ日本の未来はありません。
posted by 中山幹夫
| 脱原発
2012年08月02日
電力不足をあおって大飯原発再稼働
福島県民よりも原発再稼働を優先して血眼になっている政府と電力会社。大飯原発の再稼働を強行した政府と電力会社には不信感しかない。
大飯原発を再稼働してすぐに火力8基を停止した関西電力。しかも西日本6社でなんと1千万kW=原発10基分の余裕があるとのこと。これじゃ、電力不足は大嘘だ。しかも政府が安全だと言って再稼働した大飯原発にはいまだに恒久電源も防潮堤も免震棟もない。もう二度と原発事故など起こしたくないのに、関西電力の利益のために政府は嘘をついてまで国民を危険な目に合わせる気なのか。
「連日の猛暑…なのに電力は余っている」ゲンダイ
http://gendai.net/articles/view/kenko/137835
テレビ局はそんなに電力不足の危機をあおるなら、少なくても夏の日中のテレビ放送を中止するくらいのことはすべきだった。真夏の日中のテレビ放送なんて不要。もうテレビ放送そのものがいらない気もする。テレビ局は福島原発事故以降、あまりにも嘘を流し続けてきた。
「テレビを消して節電、テレビを消して脱原発」Approaches
http://approaches.nakayama-lab.com/article/179737849.html
大飯原発を再稼働してすぐに火力8基を停止した関西電力。しかも西日本6社でなんと1千万kW=原発10基分の余裕があるとのこと。これじゃ、電力不足は大嘘だ。しかも政府が安全だと言って再稼働した大飯原発にはいまだに恒久電源も防潮堤も免震棟もない。もう二度と原発事故など起こしたくないのに、関西電力の利益のために政府は嘘をついてまで国民を危険な目に合わせる気なのか。
「連日の猛暑…なのに電力は余っている」ゲンダイ
http://gendai.net/articles/view/kenko/137835
テレビ局はそんなに電力不足の危機をあおるなら、少なくても夏の日中のテレビ放送を中止するくらいのことはすべきだった。真夏の日中のテレビ放送なんて不要。もうテレビ放送そのものがいらない気もする。テレビ局は福島原発事故以降、あまりにも嘘を流し続けてきた。
「テレビを消して節電、テレビを消して脱原発」Approaches
http://approaches.nakayama-lab.com/article/179737849.html
posted by 中山幹夫
| 脱原発
2012年06月03日
テレビで流されない脱原発の歌
日本の原発はすでに5月に全停止した。もう二度と動かさないで廃炉すればいい。節電もしよう。産業構造の変化もすすめよう。テレビも消そう。
原発推進が生み出した文化などあるのだろうか。原発推進と再稼働には、利権は感じても文化の香りはしない。一方、脱原発は多くの文化を生み出した。各自がそれぞれのやり方で表現する。まさに国民の声。この多様性こそ、市民メディアがマスコミに勝つ鍵だ。そして多くの歌も生まれた。でも、ここに紹介する歌はテレビでは流されない。なぜだろうか?
1986年チェルノブイリ原発事故後の1988年、忌野清志郎は「37個も建っている原子力発電所がまだ増える」「それでもテレビは言っている。日本の原発は安全です」と歌った。そして54基。原発事故が起きた。忌野清志郎『サマータイムブルース』
多くの人たちが力をもらっている。斉藤さんの勇気にありがとう。本当にずっとウソだった。そして今もまだウソをつき続けている。しかし私たちはもうだまされない。斉藤和義『ずっとウソだった』
これもテレビでは流さない名曲。割烹着〜ず「ラブ・ミー・テンダー」、忌野清志郎の魂をお母さんたちが歌う。UAさんもいるよ。子供を守るお母さんたちはかっこいい!利権まみれの男たちよ目を覚ませ!
原発と放射能から子供を守ろうとお母さんたち、反面、原発安全を叫ぶ嘘つき原子力学者、放射能は安全だと言って子供を被曝させる放射線学者、マスコミ、政治家、みんな利権まみれで良心のない男だらけ。歌は「Oh my darling, I love you. 目を覚ましな」で終わる。お父さんも変われ!
電力会社、マスコミ、政府の愚かさと非人間性を歌と演出で風刺した尾米タケル之一座『絶対原子力戦隊スイシンジャー』利権にしがみつく人たちの愚かさを笑い飛ばしてやりましょう。
金吾&きーこ『バイバイ、危険なげんぱーつ』増え続ける放射性廃棄物、補助金依存自治体、原発労働者の被曝、大地と海の放射能汚染、食品汚染、消えた故郷。いったい原発の何がいいんだ。得をする一部の人たち。犠牲者は何の罪もない子供たち。
明るく、しかし鋭く本質に迫る歌、制服向上委員会『ダッ!ダッ!脱・原発の歌』 ♪忘れないよ原発事故のこと ♪覚えておこう被害の大きさ ♪大地と海、2次災害、人の心にまで
橋本美香&制服向上委員会『 原発さえなければ 』 ♪私が育った、この家にもう戻れない ♪原発事故は自然災害ではないから
制服向上委員会『TVにさようなら 』 ♪テレビを見ないと見えてくる、大切な時間が ♪テレビを消したら気がついた、私の生き方を
原発推進が生み出した文化などあるのだろうか。原発推進と再稼働には、利権は感じても文化の香りはしない。一方、脱原発は多くの文化を生み出した。各自がそれぞれのやり方で表現する。まさに国民の声。この多様性こそ、市民メディアがマスコミに勝つ鍵だ。そして多くの歌も生まれた。でも、ここに紹介する歌はテレビでは流されない。なぜだろうか?
1986年チェルノブイリ原発事故後の1988年、忌野清志郎は「37個も建っている原子力発電所がまだ増える」「それでもテレビは言っている。日本の原発は安全です」と歌った。そして54基。原発事故が起きた。忌野清志郎『サマータイムブルース』
多くの人たちが力をもらっている。斉藤さんの勇気にありがとう。本当にずっとウソだった。そして今もまだウソをつき続けている。しかし私たちはもうだまされない。斉藤和義『ずっとウソだった』
これもテレビでは流さない名曲。割烹着〜ず「ラブ・ミー・テンダー」、忌野清志郎の魂をお母さんたちが歌う。UAさんもいるよ。子供を守るお母さんたちはかっこいい!利権まみれの男たちよ目を覚ませ!
原発と放射能から子供を守ろうとお母さんたち、反面、原発安全を叫ぶ嘘つき原子力学者、放射能は安全だと言って子供を被曝させる放射線学者、マスコミ、政治家、みんな利権まみれで良心のない男だらけ。歌は「Oh my darling, I love you. 目を覚ましな」で終わる。お父さんも変われ!
電力会社、マスコミ、政府の愚かさと非人間性を歌と演出で風刺した尾米タケル之一座『絶対原子力戦隊スイシンジャー』利権にしがみつく人たちの愚かさを笑い飛ばしてやりましょう。
金吾&きーこ『バイバイ、危険なげんぱーつ』増え続ける放射性廃棄物、補助金依存自治体、原発労働者の被曝、大地と海の放射能汚染、食品汚染、消えた故郷。いったい原発の何がいいんだ。得をする一部の人たち。犠牲者は何の罪もない子供たち。
明るく、しかし鋭く本質に迫る歌、制服向上委員会『ダッ!ダッ!脱・原発の歌』 ♪忘れないよ原発事故のこと ♪覚えておこう被害の大きさ ♪大地と海、2次災害、人の心にまで
橋本美香&制服向上委員会『 原発さえなければ 』 ♪私が育った、この家にもう戻れない ♪原発事故は自然災害ではないから
制服向上委員会『TVにさようなら 』 ♪テレビを見ないと見えてくる、大切な時間が ♪テレビを消したら気がついた、私の生き方を
posted by 中山幹夫
| 脱原発
2012年04月16日
こどもの日を脱原発の日に
54基ある国内原発のうちすでに53基は停止している。現在稼働中の原発は北海道の泊原発1基のみ。そして2012年5月5日、泊原発が止まる。子供たちのためにこの日からずっと原発ゼロのままにして、こどもの日の5月5日を脱原発の日にしたい。そして原発などなくても夏も冬も乗り切るために英知を結集する。
産業構造の変化や省エネ推進、放射性物質の長期管理と原発廃炉のプロセスなど課題は多いが、環境と人にやさしい時代が始まる。
福島でいまだに多くの人たちが避難生活と放射能汚染に苦しんでいる。東日本の食の安全も脅かされたままだ。瓦礫も除染も避難も何も解決していない。原発事故も収束していない状況で、不安を感じて多くの国民が反対しているにもかかわらず、国民の声も聞かずに再稼働に暴走する政府はすでに正気を失っている。もはや、私たち国民の代表ではない。
政治家と官僚は、再稼働の努力と根回しなんかより、本当にやるべきことがある。どうみても原発事故の原因究明と事故収束が優先に決まってる。壊れた原発から海と大気に撒かれている放射能を封じ込めて、福島県を復興することの方が先だ。
産業構造の変化や省エネ推進、放射性物質の長期管理と原発廃炉のプロセスなど課題は多いが、環境と人にやさしい時代が始まる。
福島でいまだに多くの人たちが避難生活と放射能汚染に苦しんでいる。東日本の食の安全も脅かされたままだ。瓦礫も除染も避難も何も解決していない。原発事故も収束していない状況で、不安を感じて多くの国民が反対しているにもかかわらず、国民の声も聞かずに再稼働に暴走する政府はすでに正気を失っている。もはや、私たち国民の代表ではない。
政治家と官僚は、再稼働の努力と根回しなんかより、本当にやるべきことがある。どうみても原発事故の原因究明と事故収束が優先に決まってる。壊れた原発から海と大気に撒かれている放射能を封じ込めて、福島県を復興することの方が先だ。
posted by 中山幹夫
| 脱原発
2012年02月11日
新入生へのおすすめ本『原発と放射線』
『原発と放射線』が新入生への配布冊子『本はおもしろい』で学生に読んでほしい本の一つとして紹介されることになりました。若い力に期待を込めて書いた冊子掲載の紹介文です。
中山幹夫著 ウック(電子書籍) 2011年 無料
『原発と放射線』 第3版
−真実を知り、自分の身は自分で守るしかない−
子供たちの未来のために
「過去に目を閉ざす者は未来に対してもやはり盲目となる」第六代ドイツ連邦大統領ヴァイツゼッカーの言葉である。東日本大震災により空前の規模の原発事故が起きたが、政府関係者は現実に目を閉ざし、情報公開を遅らせて事故の深刻さを矮小化した。今では原発事故の報道も減り、事故は終ったかのようだ。私たちは過去に目を閉ざすどころか今起きている現実にさえ目を閉ざすのだろうか。
本書では「日本で起きていることは情報戦争」だと述べている。過去にも肝炎被害、水俣病、薬害エイズなど、どれも当初から危険性が指摘されていながら、正しい報道がされたのは被害が大きく広がった後である。副題「真実を知り、自分の身は自分で守るしかない」は、自分と家族そして子供たちを守るためには、テレビや新聞の情報を鵜呑みにするのではなく、自ら情報を収集して判断することが重要であることを示している。そのためには私たち自身が放射線の知識を身に付け、政府や自治体の現状を知らなければならない。日本が世界からどう見られているかという広い視野も必要だ。
『原発と放射線』は四月にホームページで公開され各界から多くの反響があり、その後、電子書籍化され、六月に第二版、十月に第三版を発行して無料公開を続けている。少ない読者数ではメディアとしての影響力はないので五月から一カ月間Google AdWords広告に集中掲載。さらにツイッターを活用して議員やジャーナリストなど五千人近いフォロワー数を抱え、十月までの半年間で本書は通算十四万アクセスを突破した。「原発と放射線 中山」と検索しても膨大なリンクがある。著者はブログも活用して情報発信し、九月の記事は二日間で十三万ものアクセスがあった。本書をネットで知った環境省の地球環境戦略研究機関からの依頼で十一月に著者は「東日本大震災からの農業および食品部門の復興」の専門家会議で「放射線情報と市民」の発表をした。本書は、子供たちを守るためにネットを駆使して被曝防護と被災者支援、政府と行政への働きかけを進める著者の実践そのものである。
この電子書籍はネットを最大限活用してホームページ、ブログ、ツイッターと密接に連携する生きた書籍と言える。出版社のサイトには読者から「福島市に住んでいます。日本中から見放されたと思っていました。この本を読んで、味方になってくださる方がいるんだと知りました」とのコメントも寄せられている。まさにネットメディアがマスメディアを凌ぐ時代の到来を感じさせる書籍である。
『原発と放射線 第3版』
http://www.nakayama-lab.com/essay/atm.html
中山幹夫著 ウック(電子書籍) 2011年 無料
『原発と放射線』 第3版
−真実を知り、自分の身は自分で守るしかない−
子供たちの未来のために
「過去に目を閉ざす者は未来に対してもやはり盲目となる」第六代ドイツ連邦大統領ヴァイツゼッカーの言葉である。東日本大震災により空前の規模の原発事故が起きたが、政府関係者は現実に目を閉ざし、情報公開を遅らせて事故の深刻さを矮小化した。今では原発事故の報道も減り、事故は終ったかのようだ。私たちは過去に目を閉ざすどころか今起きている現実にさえ目を閉ざすのだろうか。
本書では「日本で起きていることは情報戦争」だと述べている。過去にも肝炎被害、水俣病、薬害エイズなど、どれも当初から危険性が指摘されていながら、正しい報道がされたのは被害が大きく広がった後である。副題「真実を知り、自分の身は自分で守るしかない」は、自分と家族そして子供たちを守るためには、テレビや新聞の情報を鵜呑みにするのではなく、自ら情報を収集して判断することが重要であることを示している。そのためには私たち自身が放射線の知識を身に付け、政府や自治体の現状を知らなければならない。日本が世界からどう見られているかという広い視野も必要だ。
『原発と放射線』は四月にホームページで公開され各界から多くの反響があり、その後、電子書籍化され、六月に第二版、十月に第三版を発行して無料公開を続けている。少ない読者数ではメディアとしての影響力はないので五月から一カ月間Google AdWords広告に集中掲載。さらにツイッターを活用して議員やジャーナリストなど五千人近いフォロワー数を抱え、十月までの半年間で本書は通算十四万アクセスを突破した。「原発と放射線 中山」と検索しても膨大なリンクがある。著者はブログも活用して情報発信し、九月の記事は二日間で十三万ものアクセスがあった。本書をネットで知った環境省の地球環境戦略研究機関からの依頼で十一月に著者は「東日本大震災からの農業および食品部門の復興」の専門家会議で「放射線情報と市民」の発表をした。本書は、子供たちを守るためにネットを駆使して被曝防護と被災者支援、政府と行政への働きかけを進める著者の実践そのものである。
この電子書籍はネットを最大限活用してホームページ、ブログ、ツイッターと密接に連携する生きた書籍と言える。出版社のサイトには読者から「福島市に住んでいます。日本中から見放されたと思っていました。この本を読んで、味方になってくださる方がいるんだと知りました」とのコメントも寄せられている。まさにネットメディアがマスメディアを凌ぐ時代の到来を感じさせる書籍である。
『原発と放射線 第3版』
http://www.nakayama-lab.com/essay/atm.html
posted by 中山幹夫
| 脱原発