コンピュータの持つ記憶力と処理速度は桁違いだ。記憶力と速さは人間がどれほど頑張っても家庭用パソコンにさえ及ばない。情報技術の発達した今では詰め込み記憶と即答テクの能力は時代遅れである。それでも入試では記憶力と処理速度が高ければ有利なのが現状である。そして入試を勝ち抜いた者の中に自分が賢いと誤解して他の人を見下すヤツがいる。官僚・政治家・学者・東電幹部・マスコミに目立つ。
賢さとは、将来の問題を事前に想定してトラブルを未然に防ぐ先見性、問題が起きた時の迅速な判断力と実行力、そして良識と責任感ある人間性だ。どれも受験エリートには決定的に欠けている。
知識や経験を生かして必要な情報を集めて判断して行動に生かす情報活用力が大切なのに、記憶と処理能力で勝ち残ってきた者たちには情報活用力と先見性、行動力と人間性の重要さが分からない。だから何でも想定外だと言って自分の無能さをごまかす。その本性が原発事故でばれてしまった。
責任逃ればかりしているうちに自慢だったはずの記憶力と処理能力さえも失って、学歴と地位という腐ったカンバンの肩書だけが残る。学歴と地位という価値基準の呪縛に縛られてしか生きられない哀れな者たちはやがて人の心も失って、能力も心もない肩書だけの抜け殻になる。
2012年01月19日
時代遅れのエリート意識
posted by 中山幹夫
| 教育